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インターリービング学習法:記憶を定着させる「混ぜ学習」の秘訣

9English Team2025年12月10日
インターリービング学習法:記憶を定着させる「混ぜ学習」の秘訣

英語学習、毎日同じことばかりやっていませんか?単語帳をひたすら眺めたり、文法書を繰り返し読んだり…。もちろん、それも大切ですが、実はもっと効率的な方法があるんです!今回は、脳科学的にも証明されている「インターリービング学習法」をご紹介します。これを使えば、あなたの記憶はもっと定着しやすくなり、学習が劇的に変わるはずですよ。

インターリービング学習法とは?

インターリービング学習法(Interleaving Learning)とは、簡単に言うと「異なるトピックやスキルを交互に学習する方法」のこと。例えば、単語学習、文法練習、リスニング練習を、1つのセッションの中で順番に切り替えていくイメージです。これは、一度に一つのことを長時間集中して学習する「ブロッキング学習法」とは対照的ですね。

「え、そんなんで本当に効果があるの?」って思いますよね。私も最初はそう思いました!でも、実はこの「混ぜる」という行為が、脳にとって非常に効果的なんです。

なぜインターリービングは効果的なのか?

脳は、新しい情報に触れるたびに、それを過去の知識と結びつけようとします。ブロッキング学習法では、同じ種類の情報が連続するため、脳は「これはあの時の情報だ」と簡単に認識してしまいます。そのため、深い理解や長期記憶になりにくいんです。

一方、インターリービング学習法では、学習内容を頻繁に切り替えることで、脳は「これは新しい問題だ!どうやって解こう?」と、常にアクティブに情報を処理する必要があります。この「一時的な困難さ」こそが、記憶の定着を強力に促す鍵なのです。まるで、脳がパズルのピースを、色々な場所から探してはめ込んでいるような状態ですね。このプロセスを通じて、情報間の関連性が強化され、より柔軟で応用力のある知識が身につきます。これは、記憶のメカニズムに関する研究でも裏付けられています。

インターリービング学習法のメリット

  • 記憶の定着率向上: 脳が情報を積極的に処理するため、長期記憶に残りやすくなります。
  • 問題解決能力の向上: 異なるスキルを組み合わせる練習になるため、応用力がつきます。
  • 学習の飽き防止: 常に新しい刺激があるため、単調な学習に比べて飽きにくいです。
  • メタ認知能力の向上: 自分がどのスキルに強いか、弱いかが把握しやすくなります。

インターリービング学習法の具体的な実践方法

では、具体的にどうやってインターリービング学習法を取り入れていくのか、いくつか実用的な例を見ていきましょう。これは、私が教えている生徒さんたちにもよく勧めている方法なんですよ!

例1:単語・文法・リスニングの組み合わせ(初級〜中級者向け)

これは、最も基本的なインターリービングの例です。例えば、1時間学習する場合、以下のように配分します。

  • 最初の15分: 新しい単語を5つ覚える。単語だけでなく、例文も一緒に声に出して読む。
  • 次の15分:  直前に覚えた単語を使った簡単な文法練習問題(例えば、過去形にする、形容詞を名詞に変えるなど)。
  • その次の15分: 新しい単語や文法で出てきた単語が含まれる短いリスニング教材を聞く。スクリプトを見ずに、まずは内容を掴む練習。
  • 最後の15分: もう一度、単語の復習と、リスニングで聞き取れなかった部分の確認。

「え、15分ずつ?短くない?」と思うかもしれませんが、この短時間で集中して切り替えるのがポイントなんです。脳が飽きる前に次のタスクに移ることで、常に新鮮な気持ちで学習に取り組めます。

例2:リーディング・ライティング・語彙の組み合わせ(中級〜上級者向け)

もう少しレベルアップした学習者向けには、こんな組み合わせもおすすめです。

  • 最初の20分: 興味のある分野の英語記事を読む(例:テクノロジー、旅行、文化など)。ただ読むだけでなく、知らない単語や表現に印をつける。
  • 次の20分: 印をつけた単語や表現を使って、短いパラグラフ(5〜7文程度)を書いてみる。記事の内容について自分の意見を述べたり、要約したりする練習。
  • その次の20分: 記事中にあった、少し複雑な文構造や、ネイティブがよく使うイディオム(熟語)を抜き出し、意味と使い方を調べる。
  • 最後の20分: 書いたパラグラフを音読し、さらに、抜き出したイディオムを使った別の例文を自分で作ってみる。

このように、読む→書く→語彙・表現を深める、という流れで、複数のスキルを連動させて学習します。記事を読むことでインプットが増え、それを基に書くことでアウトプットの練習になり、さらに表現を深掘りすることで語彙力も強化される。まさに一石三鳥!

例3:過去問演習のインターリービング(試験対策)

TOEIC、IELTS、英検などの試験対策でも、インターリービングは非常に有効です。例えば、過去問を解く際に、以下のようにします。

  • セクションA: リスニングセクションの問題を10問解く。
  • セクションB: リーディングセクションの文法問題を10問解く。
  • セクションC:  その後、再びリスニングセクションに戻り、別のタイプの問題(例:長文リスニング)を解く。
  • セクションD: リーディングセクションの読解問題を1問解く。

このように、異なるセクションや問題タイプを交互に解くことで、脳は常に新しい問題形式に対応する練習をすることになります。これは、実際の試験で、様々な問題形式が次々と出てきても、冷静に対応できる能力を養うのに役立ちます。

ケーススタディ: 私の生徒の一人、佐藤さん(仮名)は、TOEICで600点台から伸び悩んでいました。彼は毎日2時間、リスニングとリーディングをひたすら解いていましたが、スコアはほとんど上がりませんでした。そこで、学習時間を1時間半に減らし、その中で「リスニング15分→リーディング文法15分→リスニング長文15分→リーディング読解15分→単語・イディオム復習15分」というインターリービングを取り入れてみました。すると、わずか1ヶ月でTOEICスコアが730点にアップ!「飽きずに集中できたのが良かった」と彼は語っていました。

インターリービング学習法を成功させるためのヒント

インターリービング学習法は強力ですが、いくつか注意点もあります。これを知っておくだけで、効果が格段に変わってきますよ。

1.  適切な「切り替え」のタイミングを見つける

あまりにも短時間で切り替えすぎると、脳が十分に情報を処理する前に次のトピックに移ってしまい、結局何も身につかない可能性があります。逆に、長すぎるとブロッキング学習法になってしまいます。

一般的には、15分〜30分程度で切り替えるのが効果的と言われています。ただし、これはあくまで目安です。ご自身の集中力や学習内容に合わせて、最適な時間を見つけてください。例えば、「この文法問題集を10問解いたら、次はリスニングに移る」というように、タスク単位で区切るのも良い方法です。

2.  関連性の高いトピックを選ぶ

全く関係のないトピックを混ぜるよりも、ある程度関連性のあるトピックを組み合わせる方が、脳は情報を結びつけやすくなります。

例えば、:

  • 良い例: 単語学習 → その単語を使った文法練習 → その単語が出てくるリスニング教材
  • あまり良くない例: 単語学習 → 料理のレシピを読む → アメリカの歴史について学ぶ

もちろん、完全に無関係なものを混ぜるのがダメというわけではありません。しかし、学習初期や、効率を最大限に高めたい場合は、関連性の高いものを組み合わせるのがおすすめです。

3.  休憩を適切に挟む

インターリービングは脳をアクティブに使うため、思った以上に疲れます。学習の合間に短い休憩(5分程度)を挟むことで、集中力を維持しやすくなります。立ち上がってストレッチをしたり、窓の外を眺めたりするだけでも効果がありますよ。

4.  自分の学習スタイルに合わせる

インターリービング学習法は万能ですが、すべての人に全く同じ方法が合うわけではありません。もし、どうしても「この方法だと集中できないな」と感じたら、無理せず調整してください。例えば、:

  • 「どうしてもこの文法をマスターしたい!」という強い意志があるなら、その文法に少し長めに時間を割いてもOK。
  • 「今日はとにかく色々な英語に触れたい!」という気分の時は、さらに細かく10分単位で切り替えても良いでしょう。

大事なのは、学習を継続すること。インターリービングを「こうしなければならない」と義務感で捉えず、楽しみながら、自分に合ったやり方を見つけていくことが成功の秘訣です。

5.  定期的な復習を忘れない

インターリービングで学習した内容も、定期的に復習しないと忘れてしまいます。学習した内容を、数日後、1週間後、1ヶ月後など、間隔を空けながら復習する「間隔反復(Spaced Repetition)」と組み合わせると、さらに記憶の定着率が高まります。例えば、今日学習した単語は、明日、3日後、1週間後に復習する、といった具合です。

よくある間違い:

  • 「切り替えすぎて、結局どれも中途半端になる」:これは、切り替えのタイミングが早すぎるか、トピック間の関連性が低すぎる場合に起こりがちです。
  • 「インターリービングは難しいから、やっぱりブロッキングでいいや」:最初は少し難しく感じるかもしれませんが、慣れると驚くほど学習効率が上がります。諦めずに、色々な組み合わせを試してみてください。
  • 「復習を怠ってしまう」:インターリービングの効果を最大限に引き出すには、間隔反復との組み合わせが不可欠です。

インターリービング学習法は、脳の仕組みに基づいた、非常に強力な学習テクニックです。今日から、あなたの英語学習にぜひ取り入れてみてください。単語帳をひたすらめくるだけの単調な日々から抜け出し、もっと能動的で、記憶に残りやすい学習体験ができるはずです。さあ、あなたの学習プランを少しだけ「混ぜて」みて、その効果を実感しましょう!

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