英語の発音:/θ/ と /ð/ の音をマスターしよう!

Riku Teacher2025年12月23日
英語の発音:/θ/ と /ð/ の音をマスターしよう!

英語の「th」の音、苦手な方多いですよね?「ス」とか「ズ」になっちゃう…なんて声、よく聞きます。でも大丈夫!この記事では、歯科音(Dental Consonants)と呼ばれる /θ/(無声音)と /ð/(有声音)の音の出し方を、現役英語講師の経験を元に、分かりやすく、そして実践的に解説します。この記事を読めば、もう「th」の音で悩むことはありません。さあ、一緒に「th」マスターへの第一歩を踏み出しましょう!

なぜ「th」の音は難しい?:日本語にはない音

まず、なぜ私たちが「th」の音に苦労するのか、その根本原因からお話ししましょう。それは、日本語の音体系には /θ/ と /ð/ の音が存在しないからです。例えば、「thank  you」を「サンキュー」、「this」を「ディス」と発音してしまうのは、無意識のうちに母音や似た音で代用しているからなんですね。これは、言語学でいう「音の置き換え(Substitution)」という現象です。多くの英語学習者が陥りやすい、ごく自然なことなんです。

日本語の音との比較:違いを理解する

日本語で「th」に近い音として、例えば「サ行」の /s/ や「ザ行」の /z/ を思い浮かべるかもしれません。しかし、これらの音と /θ/、/ð/ の決定的な違いは、**舌の位置と空気の流れ方**にあります。/s/ や /z/ の音は、舌先を歯の裏側に近づけて、隙間から息を出すことで作られます。一方、/θ/ と /ð/ は、もっと大胆に舌先を歯の前に出すのが特徴です。

学習者の声:よくある間違いと悩み

私の生徒さんからも、こんな声がよく聞かれます。

  • 「"think" がどうしても "sink" に聞こえちゃうんです…」
  • 「"mother" を言おうとすると、舌を噛みそうになります。」
  • 「"three" を "free" と間違えられて、ちょっと恥ずかしい思いをしました。」

これらの悩み、すごくよく分かります!私も学生時代、何度も鏡の前で練習したものです。でも、正しい方法を知れば、必ずできるようになりますよ。焦らず、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。

/θ/(無声音):息だけの「th」

まずは、声帯を振動させない「無声音」の  /θ/ からマスターしましょう。これは、"think"(考える)、"three"(3)、"path"(道)などの単語で使われます。この音のポイントは、**「息だけ」**で音を出すことです。

実践!/θ/ の発音方法

さあ、実際にやってみましょう!

  1. 舌の位置: 軽く上の歯の裏側に、舌先をそっと当てます。出しすぎず、引っ込めすぎず、ちょうど良い加減を見つけてください。
  2. 息の流れ: 舌先を歯から少しだけ離し、その隙間から「スーッ」と息を吐き出します。この時、声帯は振動させません。声を出そうとすると、日本語の「ス」になってしまいます。
  3. 音の確認: 鏡を見ながら、舌先が上の歯の少し先に出ていることを確認しましょう。そして、声帯が震えていないか、首の前あたりに手を当てて確認してみてください。震えていなければOKです!

練習ドリル:/θ/ を含む単語

いくつか練習単語を挙げてみます。まずはゆっくり、舌の位置と息の流れを意識しながら発音してみましょう。

  • think /θɪŋk/
  • three /θriː/
  • thank /θæŋk/
  • thin /θɪn/
  • path /pæθ/
  • mouth /maʊθ/

これらの単語を、まずは単独で、次に簡単なフレーズで練習するのが効果的です。例えば、「Thank you very much.」(本当にありがとう。)や、「I think so.」(そう思います。)など。

よくある間違いと改善策

間違い: /s/ の音になってしまう。

原因: 舌が歯の裏側につきすぎている、または息を出すときに舌を離しすぎる。

改善策: 舌先を「軽く」歯の裏側に当て、息を「細く長く」出すイメージを持ちましょう。息だけで「シーッ」と音を出す練習を繰り返すのが効果的です。

/ð/(有声音):声も一緒に「th」

次に、声帯を振動させる「有声音」の /ð/ です。これは、"this"(これ)、"that"(あれ)、"mother"(母)、"brother"(兄弟)などの単語で使われます。/θ/ との唯一の違いは、**声帯を振動させる**こと。舌の位置や息の流れ方は、/θ/ と全く同じです。

実践!/ð/ の発音方法

こちらも、実際にやってみましょう。

  1. 舌の位置: /θ/ と同じく、軽く上の歯の裏側に舌先を当てます。
  2. 息の流れと声帯の振動: /θ/ と同じように、舌先を歯から少し離し、隙間から息を吐き出します。しかし、今度は**声帯を振動させながら**行います。首の前あたりに手を当てると、「ブーン」という振動を感じられるはずです。
  3.      
  4. 音の確認:  鏡で舌の位置を確認し、首に手を当てて振動を感じましょう。声を出そうとするのではなく、「ズー」というような、喉の奥から響くような音をイメージしてください。

練習ドリル:/ð/ を含む単語

こちらも練習単語をいくつか挙げます。

  • this /ðɪs/
  •      
  • that /ðæt/
  • the /ðə/ または /ðiː/
  • then /ðen/
  • mother /ˈmʌðər/
  • brother /ˈbrʌðər/
  • father  /ˈfɑːðər/

「This is my mother.」(こちらが私の母です。)や、「That's the book I want.」(あれは私が欲しい本です。)のような短い文で練習すると、実践的です。

よくある間違いと改善策

間違い: /z/ の音になってしまう。

原因: 舌の位置が奥すぎる、または声帯の振動が強すぎる。

改善策: /θ/ の練習で習得した舌の位置と息の流れを意識しつつ、まずは「喉の奥から優しく」声を出す練習をしましょう。英語の "the"  のように、非常に弱い音で発音されることも多いので、完璧に「ズー」と発音できなくても大丈夫。まずは、声帯が振動していることを確認することが大切です。

ケーススタディ:発音改善でスコアアップ!

私の生徒さんの一人に、塚本さん(仮名)という方がいました。彼はTOEICで700点台でしたが、リスニングとスピーキングのスコアが伸び悩んでいました。特に、"th" の音が聞き取れず、また自分で発音しようとしても、どうしても「ス」や「ズ」になってしまうとのこと。そこで、週に一度の発音クリニックで、この /θ/ と /ð/ の練習に特化したセッションを設けました。

Before & After:  具体的な変化

  • Before: "Thank you" を "Sank you"、"This is" を  "Dis is" と発音。リスニングでは、"three" と "free" の聞き分けに苦労していました。
  • After (3ヶ月後): 舌の位置と息の出し方を意識することで、/θ/ と /ð/ の音が格段にクリアになりました。特に、"the" や "this" のような頻出単語の発音が改善され、リスニング力も向上。TOEICのリスニングセクションで約50点アップし、スピーキングセクションでも自信を持って発言できるようになりました。

塚本さんは、「最初は鏡の前で舌を出すのが恥ずかしかったけど、続けてみたら本当に変わった!」と喜んでいました。この経験から、発音練習は地道ですが、必ず成果につながるということを改めて実感しました。

効果的な練習方法と学習リソース

「th」の音は、意識して練習しないとなかなか定着しません。ここでは、私が推奨する効果的な練習方法と、信頼できる学習リソースをご紹介します。

実践的な練習のヒント

  1. ミラー・トレーニング: 鏡の前で自分の口の形や舌の位置を確認しながら練習しましょう。
  2. 録音・再生: 自分の発音を録音して聞き返すと、客観的に問題点が把握できます。
  3. シャドーイング:  ネイティブスピーカーの音声を聞きながら、少し遅れて真似して発音する練習です。特に、"th" が含まれる文章で集中的に行いましょう。
  4. 単語リストの活用: 上記で挙げた単語リストや、ご自身が苦手とする単語を重点的に練習します。
  5. ペアワーク: 可能であれば、学習仲間と互いの発音をチェックし合うのも効果的です。

おすすめ学習リソース

発音学習に役立つリソースはたくさんあります。例えば、

  • Cambridge Dictionary / Oxford Learner's Dictionaries: 各単語の発音音声(イギリス英語・アメリカ英語)が聞けます。発音記号も確認できるので、学習の基本となります。
  • YouTubeチャンネル: "English pronunciation th" などで検索すると、多くの発音解説動画が見つかります。例えば、BBC Learning English や Rachel's English などは質が高いです。
  • 発音矯正アプリ: 近年では、AIを活用した発音矯正アプリも登場しています。自分の発音をリアルタイムで分析してくれるので、一人でも効率的に学習できます。

これらのリソースをうまく活用し、毎日の学習に取り入れてみてください。5分でも良いので、継続することが大切です。

まとめ:焦らず、楽しみながら!

英語の「th」の音、/θ/ と /ð/ は、確かに多くの学習者にとっての壁です。しかし、今回ご紹介したように、舌の位置、息の流れ、そして声帯の振動というポイントを意識し、地道に練習を続ければ、必ず克服できます。塚本さんのように、発音改善がリスニングやスピーキングのスコアアップに繋がることも少なくありません。

大切なのは、完璧を目指しすぎず、少しずつでも進歩している自分を認めてあげること。そして、楽しみながら練習を続けることです。この記事が、あなたの英語発音学習の一助となれば幸いです。さあ、今日から「th」マスターへの道を歩み始めましょう!

Links:

関連記事

ストレスシフト:英語の発音を劇的に変えるアクセントの動かし方
Pronunciation5 min

ストレスシフト:英語の発音を劇的に変えるアクセントの動かし方

英語の発音で悩んでいませんか?単語や文のアクセント(強勢)の置き方「ストレスシフト」が鍵!この記事では、単語レベル・文レベルでのストレスシフトの重要性、具体的な練習法、よくある間違いまで、経験豊富な講師が分かりやすく解説。あなたの英語を劇的に変える秘訣を伝授します。

Invalid Date
英語学習者がつまずく!句動詞のストレスとリズムをマスターする秘訣
Pronunciation5 min

英語学習者がつまずく!句動詞のストレスとリズムをマスターする秘訣

句動詞のストレスとリズムは英語学習の難関。この記事では、経験豊富な講師が、学習者のリアルな声やケーススタディを交え、シャドーイングやカード作成など、すぐに実践できる克服法を伝授。ネイティブのような自然な発音を目指しましょう。

Invalid Date
接頭辞と接尾辞のストレス:英語の発音を劇的に改善する方法
Pronunciation5 min

接頭辞と接尾辞のストレス:英語の発音を劇的に改善する方法

英語の発音、特に接頭辞・接尾辞のストレスに悩んでいませんか?この記事では、10年以上の指導経験に基づき、学習者がつまずきやすいポイントを、豊富な例と実践的な練習法で解説。発音を劇的に改善する秘訣を、コーヒー片手に話すように分かりやすくお伝えします。

Invalid Date
シュワ音:英語で最も頻繁に登場する母音の秘密
Pronunciation5 min

シュワ音:英語で最も頻繁に登場する母音の秘密

英語学習者必見!最も頻繁に使われる「シュワ音(/ə/)」の秘密を徹底解説。ネイティブのような自然な発音を手に入れるための実践テクニック、ケーススタディ、エクササイズを、私の指導経験をもとに分かりやすく紹介します。

Invalid Date
【発音】/b/, /d/, /g/, /v/, /z/ をクリアに!ネイティブに伝わる「有声音」マスターガイド
Pronunciation5 min

【発音】/b/, /d/, /g/, /v/, /z/ をクリアに!ネイティブに伝わる「有声音」マスターガイド

英語の有声音/b/,  /d/,  /g/,  /v/,  /z/の発音に悩んでいませんか?この記事では、現役講師が学習者の実例を交え、口の形、息の出し方、練習法を徹底解説。ミニマルペアやフレーズ練習で、ネイティブに伝わる発音をマスターしましょう!

Invalid Date
アメリカ英語とイギリス英語の発音:違いと学習法
Pronunciation5 min

アメリカ英語とイギリス英語の発音:違いと学習法

アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いを、母音、子音、リズムの観点から徹底解説。学習者が陥りやすい間違いと、録音、シャドーイング、オンライン英会話などを活用した具体的な克服法を紹介。自分らしい発音を見つけるための実践的なガイドです。

Invalid Date
英語の短母音 /æ/, /e/, /ɪ/, /ɒ/, /ʌ/ をマスターしよう!発音練習ガイド
Pronunciation5 min

英語の短母音 /æ/, /e/, /ɪ/, /ɒ/, /ʌ/ をマスターしよう!発音練習ガイド

英語の短母音 /æ/,  /e/,  /ɪ/,  /ɒ/,  /ʌ/ の発音を徹底解説!口の形、舌の位置、実践練習法、学習者の成功事例まで、ネイティブのような発音を目指すためのガイドです。

Invalid Date
英語の摩擦音(/f/, /v/, /θ/, /ð/, /s/, /z/, /ʃ/, /ʒ/)をマスターしよう!発音矯正の秘密
Pronunciation5 min

英語の摩擦音(/f/, /v/, /θ/, /ð/, /s/, /z/, /ʃ/, /ʒ/)をマスターしよう!発音矯正の秘密

英語の摩擦音(/f/,  /v/,  /θ/,  /ð/,  /s/,  /z/,  /ʃ/,  /ʒ/)の発音に悩んでいませんか?この記事では、現役英語講師が、各音の正しい発音方法、よくある間違い、そして効果的な練習法を、実体験を交えて分かりやすく解説します。

Invalid Date