「よくわからない」を英語で伝える:ネイティブ風の自然な表現集

Honoka Sensei2025年12月18日
「よくわからない」を英語で伝える:ネイティブ風の自然な表現集

英語で「よくわからない」って言いたい時、"I don't know." だけじゃ味気ないし、状況によっては失礼に聞こえることも? 実際の英会話で、もっと自然に、もっと正確に自分の気持ちを伝えられるようになりたいですよね。大丈夫、この記事を読めば、あなたの「わからない」がもっと豊かに、もっと伝わるようになりますよ!

私も昔は、先生に質問されても、友達に意見を求められても、すぐに "I don't know." としか言えなくて、自分の英語力に自信が持てませんでした。でも、色々な表現を学んで、実際に使ってみて、少しずつ「わからない」にも色々なレベルやニュアンスがあることを理解しました。今回は、そんな私の経験と、英語学習の専門家として得た知識を元に、ネイティブがよく使う「わからない」の表現を、具体的なシチュエーション別に、そしてその「なぜ」を解説しながらご紹介します。

「わからない」のレベル別表現:曖昧さの度合いを使い分けよう

「わからない」と言っても、全く知識がないのか、少しは知っているけど確信が持てないのか、あるいは意見を求められても決めかねているのか、その度合いは様々ですよね。これらのニュアンスを使い分けることで、より正確に自分の状況を伝えることができます。

1.  全く知らない・情報がない場合

これは一番シンプルな「わからない」ですが、"I don't know." 以外にも、より丁寧だったり、少し残念な気持ちを伝えたりする表現があります。

  • I have no idea.
    「全く見当がつかない」というニュアンスが強く、"I don't know." よりもさらに知らないことを強調します。例えば、友人に「あの映画の公開日いつだっけ?」と聞かれた時に、「うーん、全然わからないな。」という感じで使えます。
  • I'm not  familiar with that.
    「それについては詳しくない」「馴染みがない」という意味で、少し丁寧な響きがあります。例えば、仕事で新しいプロジェクトについて聞かれた際に、「その件については、まだ詳しく把握しておりません。」と伝えたい時に便利です。これは、Cambridge Dictionaryでも「知らない、または経験がない」と定義されており、フォーマルな場面でも使いやすい表現です。
  • I haven't got a clue.
    これはかなりインフォーマルな表現で、親しい間柄で使われます。「さっぱりわからない」「皆目見当もつかない」という強いニュアンスです。例えば、週末の予定を聞かれて「え、全然わかんない!」という時に、友達同士で使うと自然です。

ケーススタディ:
私の生徒さんの一人、田中さん(30代、ITエンジニア)は、海外のカンファレンスで専門外のトピックについて質問された際、いつも "I don't know." と答えていたそうです。しかし、"I have no idea." や "I'm not familiar with that topic,  but I'd be  happy to look into it." と答えるように意識したところ、相手からの反応が良くなり、「もっと知りたい」という意欲も伝わるようになったと喜んでいました。以前は単に「知らない」で終わっていましたが、今は「知らないけれど、学ぶ意欲はある」というポジティブなメッセージも添えられるようになったのです。

2.  確信が持てない・曖昧な場合

「たぶんこうだと思うけど、自信はないな…」というような、少し曖昧さを残したい時に使う表現です。これが「I'm not sure.」の真骨頂と言えるでしょう。

  • I'm not sure.
    最も一般的で、様々な場面で使える便利な表現です。「確信はないけれど、ある程度の見解はある」というニュアンスです。例えば、「明日の天気、傘いるかな?」と聞かれた時に、「うーん、ちょっとわからないな。」という感じです。
  • I'm not quite sure.
    「not sure」をさらに弱めた表現で、「あまり確信が持てない」「もう少し情報が必要」というニュアンスです。例えば、会議で「このデータ、正しい数字だよね?」と確認された時に、「えっと、正確には…ちょっと自信ないです。」という時に使えます。
  • I'm not certain.
    「sure」よりも少しフォーマルな響きがあり、「確実ではない」ことを強調します。学術的な文脈や、ビジネスで正確さが求められる場面で使われることがあります。
  • I'm on the fence.
    これは、二つの選択肢の間で決めかねている、どちらとも言えない、という状況で使われます。「どちらつかずの状態」という意味ですね。例えば、友人から「AのレストランとBのレストラン、どっちがいいと思う?」と聞かれて、「うーん、どっちも良さそうだから、決められないな。」という時にぴったりです。

実践エクササイズ:
友達に「週末、映画に行こうか、それとも家でゆっくりする?」と聞かれたと想像してみてください。あなたはどちらか決めかねています。この状況で、上記の「曖昧な場合」の表現をいくつか使って、返事をしてみましょう。例えば、「I'm not sure yet.  I'm kind of on the fence between going out and staying in.」のように、複数の表現を組み合わせる練習をすると、より自然な会話に近づきます。

3.  意見や考えを求められたが、まだ整理できていない場合

「どう思う?」と聞かれたけれど、すぐに答えが出せない。そんな時にも使える、丁寧で思慮深い表現があります。

  • I need some time to think about it.
    「ちょっと考える時間が欲しい」と素直に伝える表現です。相手に失礼なく、自分の内面的なプロセスを伝えることができます。
  • Let me mull it over.
    「mull over」は「じっくり考える、熟考する」という意味の句動詞です。少し文学的で、落ち着いた印象を与えます。
  • That's a  good question.  Let me get back to  you.
    相手の質問を認めつつ、後で回答することを約束する、非常に丁寧な対応です。ビジネスシーンでよく使われます。
  •    
  • I  haven't formed  an  opinion yet.
    「まだ意見を形成していない」という意味で、特に意見や考えが求められた際に、誠実に「まだ決まっていない」ことを伝えるのに役立ちます。

Before & After Scenario:
Before: チームミーティングで新しい戦略について意見を求められた山田さん。「えーっと、わからないです。」とだけ答えてしまい、チームの議論が停滞してしまいました。
After: 同じ状況で、山田さんは「That's an interesting point.  I need a little more time to consider the potential impact on our current workflow.  Let me mull it over and share my thoughts by tomorrow.」と答えました。これにより、山田さんは単に「わからない」のではなく、問題に対して真剣に考えている姿勢を示し、チームに前向きな印象を与え、建設的な議論を促すことができました。

「わからない」を伝える際の注意点と実践的なコツ

ただ「わからない」という言葉を知っているだけでは、実際のコミュニケーションで効果的に使うことはできません。ここでは、私の指導経験から得た、より実践的なアドバイスをお伝えします。

1.  ポジティブな姿勢を示す

「わからない」というネガティブな情報を伝える際でも、伝え方次第で相手に与える印象は大きく変わります。例えば、単に「I don't know.」と言うのではなく、「I'm not sure about that,  but I can find out for you.」のように、「調べるよ」という行動を付け加えるだけで、相手は「この人は協力的だ」と感じてくれます。

私の教え子、佐藤さん(20代、学生)の体験談:
彼女は、授業中に先生に当てられて答えがわからなかった時、いつも顔をうつむかせて「I don't know...」と消え入りそうな声で言っていました。私は彼女に、「わからなくても大丈夫。まずは『I'm  not sure about the exact  answer,  but I think it  might be related to...』のように、何か少しでも思いつくことを言ってみよう。もし何も思いつかなければ、『Could you please repeat the question?  I need a moment to process it.』と言ってみるのもいいわよ」とアドバイスしました。数週間後、彼女は自信を持って「I'm not sure,  but I'd  like to try answering.  My guess is...」と言えるようになり、先生からも「Good effort!」と褒められることが増えました。この小さな変化が、彼女の自信に繋がったのです。

2.  質問の意図を確認する

時々、相手の質問が不明瞭で、何を聞かれているのか「わからない」ということもありますよね。そんな時は、遠慮せずに質問し返しましょう。これは、相手への敬意を示す行動でもあります。

  • Could you clarify what you mean  by...?
    「〜とは、具体的にどういう意味ですか?」と尋ねる丁寧な表現です。
  • Are you asking about  X or Y?
    「Xについてですか、それともYについてですか?」と、選択肢を提示して確認する際に使います。
  • So,  if I understand correctly,  you're asking...
    「つまり、私の理解が正しければ、〜ということですね?」と、自分の理解を確認する際に使います。これは、相手の意図を正確に把握するための非常に効果的な方法です。

専門家の視点:
言語学者の研究によると、コミュニケーションにおける「不明瞭さ」は、誤解の大きな原因となります。特に、第二言語学習者の場合、語彙や文法の制限から、質問の意図を正確に捉えられないことがあります。そのため、不明瞭な場合は「I don't understand what  you're asking.」と直接言うのではなく、「Could you rephrase that?」や「I'm not sure  I follow.  Could you explain that in a different way?」のように、建設的に確認を求めることが推奨されています。これは、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)で求められる「コミュニケーション能力」の一部とも言えます。

3.  具体的な代替表現を学ぶ

「I don't know.」や「I'm not sure.」だけでは、どうしても表現が単調になりがちです。前述したような、より具体的でニュアンスのある表現をいくつか覚え、実際に使ってみる練習をしましょう。最初はぎこちなくても、繰り返し使ううちに自然に口から出てくるようになります。

日常会話での練習例:
例えば、家族や友人に「今日の晩ご飯、何がいい?」と聞かれたとします。

  • もし何も思いつかなければ:「Hmm,  I have no idea.  What do you  feel like eating?」(うーん、全然わからないな。何が食べたい気分?)
  • もしいくつか候補があるけど決めかねていたら:「I'm on the fence.  Maybe pasta or maybe we could try that  new Thai place?」(決めかねてるな。パスタか、あるいはあの新しいタイ料理屋さんを試すとか?)
  • もし何か食べたいけれど、具体的に決まっていなかったら:「I'm  not sure exactly,  but I'm craving something spicy.」(はっきりとはわからないけど、辛いものが食べたい気分なんだ。)
このように、状況に合わせて表現を選ぶ練習をしてみてください。

英語で「わからない」を伝えることは、単に知識がないことを示すだけでなく、相手との関係性を築き、誤解を防ぎ、さらに学習意欲を示すための重要なコミュニケーションスキルです。今回ご紹介した様々な表現を、ぜひあなたの英語学習に取り入れて、より豊かで自然な英会話を目指してくださいね!

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