英語の発音で、日本人学習者がつまずきやすい音ってありますよね? 今日は、特に「ch」の音 /tʃ/ と「j」の音 /dʒ/ に焦点を当てて、その違いと正しい発音方法を、経験豊富な英語講師の視点から、分かりやすく解説していきます! これを読めば、もう「チップ」が「シップ」になったり、「ジャンプ」が「ヤンプ」になったりしませんよ!
なぜ /tʃ/ と /dʒ/ は難しいのか?
まず、なぜこの2つの音が日本人学習者にとって難しいのか、その理由を深掘りしてみましょう。 日本語には、これらの音に完全に一致する単独の音はありません。「ち」や「つ」の音は /tʃ/ に近いですが、口の形や舌の位置が微妙に違います。「じ」や「づ」の音も /dʒ/ に似ていますが、やはり決定的な違いがあるんです。 この微妙な違いが、ネイティブスピーカーには「あれ?」と思われてしまう原因なんですね。 例えば、"cheap"(安い)を「シップ」と発音してしまうと、"ship"(船)と区別がつかなくなってしまいます。 また、"choose"(選ぶ)を「クーズ」のように発音してしまうと、意味が伝わりにくくなることも。
日本語の「チ」「ツ」「ジ」との比較
日本語の「チ」や「ツ」は、舌先を上の歯茎のすぐ裏あたりにつけて、破裂させるように「チッ」「ッツ」と発音します。一方、英語の /tʃ/ は、舌全体を少し後ろに引いて、口蓋(口の中の天井)に近づけ、息を破裂させるように「チュッ」と発音します。舌の接触面がより広く、口蓋全体に広がるイメージです。
次に、「ジ」の音。日本語の「ジ」は、声帯を振動させて「ズ」の音に「イ」の母音を乗せたような音です。英語の /dʒ/ は、さらに舌を口蓋に近づけ、より強く息を破裂させ、声帯を振動させます。「ヂュッ」というような、より「摩擦」を感じる音になります。舌の位置が /tʃ/ よりもさらに奥で、口蓋に強く押し付ける感覚が重要です。
/tʃ/ の発音をマスターしよう!
/tʃ/ の音は、"chair", "cheese", "watch", "catch" などの単語に含まれています。 この音を正確に発音するためのステップを見ていきましょう。
ステップ1:舌の位置と口の形
まず、リラックスして口を自然に開きます。舌先を、上の歯の裏側ではなく、少し後ろ、口蓋(口の中の天井)の真ん中あたりに近づけます。舌全体が少し盛り上がるようなイメージです。息を少し溜めるようにして、その息を「チュッ」と破裂させるように、舌を離します。この時、声帯は振動させません(無声音)。
ステップ2:息の出し方と音の響き
息を「シュッ」と短く、勢いよく出すのがポイントです。日本語の「ち」よりも、少し「強さ」と「摩擦」を感じる音を目指してください。鏡を見ながら、舌が口蓋に触れるか触れないか、ギリギリまで近づいているかを確認すると良いでしょう。
ステップ3:単語での練習
まずは、/tʃ/ の音で始まる単語から練習しましょう。
- Chair: 「チェアー」ではなく、「チュェアー」と、舌を意識して発音します。
- Cheese: 「チーズ」ではなく、「チューズ」です。舌をしっかり口蓋に近づけることを意識してください。
- Chicken: 「チキン」ではなく、「チュキン」。特に最初の「チュ」に集中しましょう。
次に、/tʃ/ の音で終わる単語も練習しましょう。
- Watch: 「ウォッチ」ではなく、「ウォーチュ」。最後の「チュ」をしっかり発音します。
- Catch: 「キャッチ」ではなく、「キャチュ」。
- Much: 「マッチ」ではなく、「マチュ」。
さらに、単語の途中に /tʃ/ が入る単語も練習します。
- Teacher: 「ティーチャー」ではなく、「ティーチュアー」。
- Kitchen: 「キッチン」ではなく、「キッチュン」。
学習者の声:Aさんの体験談
「以前、"I bought a cheap watch."(私は安い時計を買った)という文を練習していたのですが、どうしても 'cheap' が 'ship' に、'watch' が 'wash' に聞こえてしまって、先生に何度も直してもらっていました。 舌の位置を意識して、口蓋に近づける練習を毎日続けたところ、1週間ほどで 'cheap' と 'ship' の違いが自分でも分かるようになり、先生にも『良くなったね!』と言ってもらえたんです! 本当に嬉しかったですね。」
/dʒ/ の発音をマスターしよう!
/dʒ/ の音は、"jump", "judge", "job", "age" などの単語に含まれています。 /tʃ/ と似ていますが、こちらは声帯を振動させる「有声音」です。
ステップ1:舌の位置と口の形
/tʃ/ と同じように、舌を口蓋に近づけます。ただし、/dʒ/ の場合は、舌を口蓋に「軽く触れる」か、ごくわずかな隙間を残す程度にします。そして、息を破裂させるのと同時に、声帯を振動させます。「ヂュッ」というような、より「重み」のある音になります。
ステップ2:息の出し方と音の響き
/tʃ/ よりも、喉の奥から「ズーズー」というような振動が伝わってくる感覚を意識してください。指を喉に当てて、/dʒ/ を発音した時に振動を感じるか確認してみましょう。声帯がしっかり働いている証拠です。
ステップ3:単語での練習
まずは、/dʒ/ の音で始まる単語から練習しましょう。
- Jump: 「ジャンプ」ではなく、「ヂュンプ」。舌を口蓋に近づけ、声帯を振動させます。
- Job: 「ジョブ」ではなく、「ヂョブ」。
- Judge: 「ジャッジ」ではなく、「ヂュッジ」。
次に、単語の途中に /dʒ/ が入る単語です。
- Major: 「メジャー」ではなく、「メイヂャー」。
- Enjoy: 「エンジョイ」ではなく、「エンヂョイ」。
- Project: 「プロジェクト」ではなく、「プロヂェクト」。
そして、/dʒ/ の音で終わる単語も練習しましょう。
- Age: 「エイジ」ではなく、「エイヂ」。
- Large: 「ラージ」ではなく、「ラーヂ」。
- Bridge: 「ブリッジ」ではなく、「ブリヂ」。
学習者の声:Bさんの体験談
「私の場合は、/dʒ/ の音が特に難しくて。 'It's a large bridge.'(それは大きな橋です)って言おうとすると、どうしても 'large' の 'ge' が 'sh' みたいになってしまって。 先生に、喉の振動を意識するように言われたんです。 練習の時は、声に出して『うーん』って喉を鳴らしながら、それに近い感覚で 'dge' を発音する練習をしました。 鏡で口の形も確認しながら。 1ヶ月くらい続けたかな? ある時、友達に『今日の英語、すごく聞き取りやすいね!』って言われて、自分の発音が変わったんだなって実感しました。 諦めずに練習して本当に良かったです。」
/tʃ/ と /dʒ/ の聞き分けと発音のコツ
/tʃ/ と /dʒ/ は、音の出し方が似ているため、聞き分けるのも、発音するのも難しいと感じる人が多いのは当然です。 ここでは、さらに練習を深めるためのヒントをお伝えします。
聞き分けのポイント:無声音 vs 有声音
一番の鍵は、無声音(/tʃ/)と有声音(/dʒ/)の違いです。 /tʃ/ は息だけで出す音、/dʒ/ は声帯の振動を伴う音。 練習するときは、必ず喉に指を当てて、振動があるかないかを確認しましょう。 これを繰り返すだけで、聞き分けの精度が格段に上がります。 例えば、"batch"(ひとまとまり)と "badge"(バッジ)を聞き比べる練習は効果的です。
発音練習の注意点:共通点と相違点
共通点は、どちらも舌を口蓋に近づけて、息を破裂させる(/tʃ/)か、破裂させつつ声帯を振動させる(/dʒ/)という点です。 舌の位置は、/tʃ/ の方が少し後ろ寄り、/dʒ/ の方が少し前寄りになることもありますが、まずは口蓋に近づけることを意識しましょう。
相違点は、前述の通り、声帯の振動の有無です。 /tʃ/ は「クリア」で「軽快」な音、/dʒ/ は「重み」があり「響く」音、と覚えておくと良いでしょう。
よくある間違いとその克服法
- 間違い1:「チ」や「ジ」で代用してしまう。
- 克服法:舌の位置を意識する。日本語の「チ」より舌全体を使い、口蓋に近づける。
- 間違い2:/tʃ/ を /ʃ/(シュッ)のように発音してしまう。
- 克服法:破裂音であることを意識する。息を「チュッ」と短く破裂させる。
- 間違い3:/dʒ/ を /z/(ズー)のように発音してしまう。
- 克服法:舌が口蓋に触れる、または非常に近くなることを意識する。摩擦音を強く出す。
- 間違い4:/tʃ/ と /dʒ/ を区別せずに発音してしまう。
- 克服法:喉の振動を確認する練習を徹底する。
実践的な練習ドリル
ここでは、今日からすぐに始められる練習ドリルをご紹介します。 継続は力なり!
ミニ・リスニング・チャレンジ
以下の単語ペアを聞き比べて、どちらの音が含まれているか判断してみましょう。 発音記号や単語リストを見ずに、耳だけで判断するのがポイントです。
- Choose / Juice
- Cheap / Jeep
- Watch / Judge
- Chair / Jar
- Cheese / Jesus
もし聞き分けに自信がない場合は、YouTubeなどの発音動画でネイティブの発音を聞き、自分の発音と比較してみましょう。 Cambridge Dictionary や Oxford Learner's Dictionaries のサイトでも、単語の発音を確認できますよ。
シャドーイング練習
ネイティブスピーカーが話す音声を聞きながら、少し遅れて、聞こえてきた音をそのまま真似して発音する「シャドーイング」は、発音矯正に非常に効果的です。 特に、/tʃ/ や /dʒ/ が多く含まれる短いフレーズや文章を選んで練習しましょう。
例:「A cheap watch.」「She sells cheese.」「Jump on the chair.」「Enjoy your lunch.」
最初はゆっくり、正確な音を出すことを優先し、慣れてきたらスピードを上げていきます。
ロールプレイング(一人二役)
登場人物になりきって、セリフを読んでみましょう。 例えば、
A: "Did you choose the red **chair** or the blue **chair**?" (赤い椅子を選んだの?それとも青い椅子?)
B: "I **chose** the blue one. It's **cheaper**." (青い方を選んだよ。そっちの方が安いからね。)
A: "Okay, let's **check** it out. Oh, it's a beautiful **watch**!" (わかった、見てみよう。わあ、素敵な時計だね!)
のように、/tʃ/ の音を意識して発音します。
次に、/dʒ/ の音に焦点を当てたロールプレイング。
A: "I **judge** that this is a **major** **job**." (これが主要な仕事だと判断します。)
B: "Yes, we need to **jump** into it. We can't **delay**." (ええ、すぐに取り掛かる必要があります。遅れるわけにはいきません。)
このように、意図的にターゲットの音を多く含む文章を作成し、感情を込めて読んでみましょう。 自分の声を録音して聞き返すと、客観的に自分の発音をチェックできます。
まとめ:継続が鍵!
/tʃ/ と /dʒ/ の発音は、一朝一夕にはマスターできません。 でも、今回ご紹介したステップや練習ドリルを、毎日少しずつでも続けていくことで、必ず上達します。 大切なのは、
- 舌の位置と口の形を意識すること
- 無声音と有声音の違い(喉の振動)を理解すること
- ネイティブの発音をよく聞き、真似ること
- 間違いを恐れずに、たくさん練習すること
です。 焦らず、楽しみながら、あなたの英語の発音をさらにレベルアップさせていきましょう!