TOEICのリスニングやリーディングで、なんだか「あれ?この文、文法がおかしいな?」と感じたことはありませんか? 実は、多くの学習者がつまずくポイントの一つに、主語と動詞の一致があります。これがしっかり理解できていると、文の意味がスッキリ理解できるようになるだけでなく、リスニングの聞き取りやリーディングの速読にも大きく役立つんですよ。今回は、この主語と動詞の一致について、TOEICでよく出るパターンや、間違えやすいポイントを、実際の学習者の声も交えながら、分かりやすく解説していきますね!
なぜ主語と動詞の一致がTOEICで重要なのか?
TOEICのPart 5(短文穴埋め問題)やPart 6(長文穴埋め問題)では、文法的な正確さが問われます。特に、主語と動詞の形を正しく選ばせる問題は頻出です。主語が単数なのか複数なのか、あるいは特殊な形をしているのかによって、動詞の形(現在形なら-sが付くか、過去形ならbe動詞がwasかwereかなど)が変わってきます。これを正確に判断できるかが、得点に直結するわけです。
例えば、こんな経験ありませんか?
- 学習者Aさんの声: 「単語は全部わかるのに、文法問題でいつも間違えるんです。特に、主語が長いと、それが単数か複数か、分からなくなっちゃって…。例えば、『The report submitted by the marketing department last week』みたいな文だと、主語が『report』だってすぐに気づけなくて、動詞を間違えちゃいました。」
- 学習者Bさんの声: 「集合名詞とか、不定詞が主語になると、もうお手上げでした。一人で勉強していると、『これで合ってるのかな?』って不安になることも多くて。」
そうなんです。主語が長くなったり、不定詞や動名詞、あるいは集合名詞といった特殊な形になったりすると、途端に難しく感じてしまうもの。でも大丈夫! 基本的なルールと、TOEICでよく出るパターンをしっかり押さえれば、必ずクリアできます。これは、ケンブリッジ大学出版局やオックスフォード大学出版局が出版している教材でも、必ずと言っていいほど最初に学ぶ文法項目なんですよ。
基本ルール:単数主語には単数動詞、複数主語には複数動詞
これが大原則です。一番シンプルで、一番大切。
単数主語の例
主語が単数名詞(または単数扱いされるもの)の場合、動詞には通常 -s または -es をつけます(現在形の場合)。
- A manager (単数) approves (単数動詞) the budget. (マネージャーが予算を承認する。)
- The company (単数) plans (単数動詞) to expand its operations. (その会社は事業拡大を計画している。)
複数主語の例
主語が複数名詞(または複数扱いされるもの)の場合、動詞の形は原形(現在形の場合)のままです。
- Managers (複数) approve (複数動詞) the budget. (マネージャーたちが予算を承認する。)
- The employees (複数) work (複数動詞) overtime. (従業員たちは残業をしている。)
どうですか? 基本はこれだけ。でも、ここからがTOEICの腕の見せ所(?)なんです。
TOEICで頻出!主語と動詞の一致の「ひっかけ」パターン
TOEICでは、受験者を迷わせるための「ひっかけ」がよく仕掛けられています。ここでいくつか代表的なパターンを見ていきましょう。
1. 修飾語句が主語と動詞の間に入る場合
これが学習者Aさんがつまずいたポイントです。主語のすぐ後ろに、前置詞句や関係代名詞節などが入り込んで、主語と動詞が離れてしまうケース。主語が何なのかを見失いがちになります。
例:
The report (単数主語), which was submitted by the marketing department last week, (修飾語句) requires (単数動詞) further review.
この文の主語は "report" で単数なので、動詞は "requires" になります。修飾語句の "marketing department" は単数ですが、これは主語ではないので、動詞の形には影響しません。ここが一番の落とし穴!
実践アドバイス: 文を読んだら、まず主語と動詞を探す癖をつけましょう。修飾語句は一時的に無視して、文の骨格だけを捉える練習をすると、格段に分かりやすくなりますよ。
2. 不定詞句や動名詞が主語になる場合
不定詞(to + 動詞の原形)や動名詞(動詞の-ing形)が文の主語になる場合、これらは常に単数扱いになります。
例:
- To complete (不定詞句・単数扱い) this project on time is (単数動詞) challenging. (このプロジェクトを時間通りに完了させることは、難しい。)
- Managing (動名詞・単数扱い) a team requires (単数動詞) strong leadership skills. (チームを管理するには、強力なリーダーシップスキルが必要だ。)
学習者Cさんのケーススタディ: Cさんは、TOEICのPart 5で動名詞が主語になる問題が苦手でした。いつも "Managing" を見て、"team" が単数か複数かで動詞を迷っていました。そこで、彼は毎日3問ずつ、動名詞や不定詞が主語になる文法問題を集中的に解く練習をしました。さらに、自分で簡単な例文をいくつか作るようにしたところ、約2週間でこのタイプの問題での正答率が70%から95%に向上しました。自分で手を動かすことで、ルールの定着が早まったのです。
3. 集合名詞が主語になる場合
集合名詞(family, team, committee, staff, companyなど)は、集団全体を一つの単位として捉える場合は単数扱い、個々のメンバーを意識する場合は複数扱いになることがあります。TOEICでは、単数扱いされるケースがほとんどです。
例:
- The committee (単数扱い) has (単数動詞) approved the proposal. (委員会はその提案を承認した。)
- My family (単数扱い) lives (単数動詞) in Osaka. (私の家族は大阪に住んでいます。)
注意点: アメリカ英語では "staff" を複数扱いすることがありますが、TOEICでは単数扱いとして出題されることが多いので、単数として覚えるのが安全です。
4. 数や量を示す名詞が主語になる場合
「5 years」「10 dollars」「20 kilometers」のように、時間、金額、距離などを表す複数形の語句が、一つのまとまった単位として主語になる場合、それは単数扱いになります。
例:
- Ten years (単数扱い) has (単数動詞) passed since then. (それから10年が経過した。)
- Twenty dollars (単数扱い) is (単数動詞) too much for this item. (この品物には20ドルは高すぎる。)
5. "Each", "Every", "Either", "Neither", "One of" の後
これらの語句が主語の一部、または主語そのものになる場合、常に単数扱いになります。
例:
- Each participant (単数) receives (単数動詞) a certificate. (各参加者は証明書を受け取ります。)
- Every employee (単数) is (単数動詞) required to attend the meeting. (全従業員が会議に出席する必要があります。)
- Either of the options (単数扱い) is (単数動詞) acceptable. (どちらの選択肢も受け入れ可能です。)
- Neither of the proposals (単数扱い) was (単数動詞) accepted. (どちらの提案も受け入れられませんでした。)
- One of the main reasons (単数扱い) is (単数動詞) the lack of funding. (主な理由の一つは、資金不足です。)
「One of + 複数名詞」の形は特に紛らわしいので注意! 主語はあくまで "One" なので、単数動詞になります。
6. "There is/are" の構文
この構文では、"There" は形式的な主語で、その後に続く名詞が実際の主語になります。したがって、動詞の形は、それに続く名詞が単数か複数かで決まります。
例:
- There is (単数動詞) a meeting (単数名詞) in the conference room. (会議室で会議があります。)
- There are (複数動詞) several issues (複数名詞) to discuss. (話し合うべきいくつかの問題があります。)
実践!主語と動詞の一致チェックリスト
TOEICの勉強中や、実際の試験で文を読んだときに、このチェックリストを頭の中で思い浮かべてみてください。
- 文の主語は何か? 長い修飾語句に惑わされていないか?
- 主語は単数か、複数か?
- 不定詞や動名詞が主語ではないか? → 単数扱い
- 集合名詞が主語ではないか? → 多くの場合、単数扱い
- "Each", "Every", "Either", "Neither", "One of" などが含まれているか? → 単数扱い
- "There is/are" の構文か? → 後ろの名詞に合わせる
このチェックリストを意識するだけで、主語と動詞の一致に関する間違いはぐっと減るはずです。最初のうちは少し時間がかかるかもしれませんが、慣れてくると自然にできるようになりますよ。
Before & After:学習効果の例
以前、TOEICで600点台だった方が、主語と動詞の一致のルールを徹底的に復習し、毎日TOEIC形式の問題で練習を続けた結果、3ヶ月後には750点を超えることができました。特にPart 5の文法問題での失点が減り、リスニングで文の主語を正確に捉えられるようになったことが、スコアアップに繋がったと語っていました。まさに、基本だけど奥が深い、主語と動詞の一致のパワーですね!
まとめ:基本を大切に、練習を積み重ねよう!
主語と動詞の一致は、英語の基礎の基礎ですが、TOEICでは様々な形で出題され、受験者を悩ませます。今回ご紹介した、修飾語句、不定詞・動名詞、集合名詞、数・量、特殊な主語、"There is/are" の構文といったポイントをしっかり理解し、TOEIC形式の問題で繰り返し練習することが大切です。間違えた問題は、なぜ間違えたのかを必ず分析し、自分の弱点を克服していきましょう。この積み重ねが、必ずTOEICスコアアップにつながります!頑張ってくださいね!