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IELTSリーディング:True/False/Not Given問題攻略法

9English Team2025年11月22日
IELTSリーディング:True/False/Not Given問題攻略法

IELTSのリーディングセクションで、特に頭を悩ませるのが「True/False/Not Given」の問題形式ですよね?「これ、合ってる気がするけど…」「本文に書いてあったっけ?」「いや、これは違う!」なんて、迷った経験、ありませんか?

実は、この問題形式には、解くための「コツ」があるんです。長年の指導経験から、多くの学習者さんがつまずくポイントと、それを乗り越えるための具体的な戦略を、今回は徹底的に解説していきます。この記事を読めば、あなたもこの難関を突破できるようになりますよ!

True/False/Not Given問題の「壁」を理解する

なぜ、この問題は難しいのか?

多くの学習者さんが「True/False/Not Given」で苦戦する理由は、単に文章の内容を理解するだけでなく、「本文との一致」「本文との矛盾」、そして「本文に情報がない」という3つの微妙な違いを見分けなければならないからです。これは、単語力や文法力だけではクリアできない、読解力と論理的思考力が試される部分なんですね。

例えば、こんな経験ありませんか?

  • 例1:「猫は犬よりも賢い」という文章があったとき、本文に「犬は猫より賢い」と書いてあったら、これはFalse。でも、「猫は犬より賢くない」と書いてあったら…?これはFalseでしょうか、それともNot Givenでしょうか?実は、これはFalseなんです。「猫が犬より賢い」という主張を直接否定しているからです。
  • 例2:「このペンは青色です」という文章。本文に「このペンは赤色です」とあればFalse。では、「このペンは緑色です」と書いてあったら?これもFalseですね。
  • 例3:「このペンは水性です」という文章。本文に「このペンは油性です」とあればFalse。では、本文に「このペンは書きやすい」としか書いてなかったら?「水性」であるかどうかは書かれていないので、これはNot Givenになります。

このように、単語の言い換えだけでなく、論理的な関係性を正確に捉えることが重要なんです。Cambridge Assessment Englishの資料でも、リーディングセクションでは、単語の知識だけでなく、「文脈理解」「推論能力」「情報検索能力」が総合的に評価されるとされています。

「True」と「False」の落とし穴

「True」は比較的わかりやすいかもしれません。本文に書かれている内容と、設問が完全に一致している場合です。単語が多少言い換えられていても(パラフレーズ)、意味が同じであればTrueになります。

一方、「False」は少し注意が必要です。設問の内容が、本文の内容と矛盾している場合にFalseとなります。これも、単語の言い換えだけでなく、論理的な矛盾を見抜く必要があります。例えば、本文で「~は増加した」と書かれているのに、設問で「~は減少した」となっていればFalseです。

ここで、よくある間違いは、「本文に書いてあるけど、設問と違うからNot  Given」と判断してしまうことです。これは間違い!本文に情報があるのに、それが設問と矛盾しているなら、それはFalseです。この区別が、True/False/Not Given問題を解く上での最初の大きな壁と言えるでしょう。

Not Givenを「見抜く」技術

Not Givenの真実:情報がないことを見つける

「Not Given」は、本文中に設問の内容に該当する情報が一切書かれていない場合に選択します。これが一番難しいと感じる人が多いかもしれません。なぜなら、「書いてあるかな?」「書いてないかな?」と迷ってしまうからです。

ここで大切なのは、「設問で問われていること」を正確に把握すること。そして、本文をスキャンして、その情報が「存在するかどうか」を冷静に判断することです。本文に似たような情報があっても、設問で聞かれていることとズレていたら、それはNot Givenの可能性が高いです。

私が指導してきた学習者さんの中に、このNot  Givenでいつも間違える方がいました。彼女は、本文に少しでも関連する単語があると、「これはFalseかTrueだろう」と思い込んでしまっていたんです。例えば、設問が「この製品は環境に優しい」だったとして、本文に「この製品はリサイクル可能な素材を使用しています」と書かれていたとします。彼女は「リサイクル可能=環境に優しい」と短絡的に結びつけてTrueにしてしまう。でも、実際には「環境に優しい」かどうかは、素材だけでなく、製造過程や廃棄方法など、もっと多角的な情報が必要です。本文には、その「環境に優しい」という直接的な評価や、それを裏付ける追加情報がなかった。だから、正解はNot Givenだったのです。

この経験から、私は生徒さんに「設問のキーワードを正確に捉え、本文でそのキーワードと、設問が問う『関係性』や『評価』が直接述べられているかを確認しましょう」とアドバイスしています。

Not Givenを見抜くための具体的なステップ

Not Givenを正確に判断するためには、以下のステップを踏むのが効果的です。

  1. 設問のキーワードを特定する:設問文を読み、最も重要な名詞、動詞、形容詞などを抜き出します。
  2. 本文でキーワードをスキャンする:抜き出したキーワードが本文中にどこにあるかを探します。
  3. キーワード周辺の文脈を確認する:キーワードが見つかったら、その前後の文を注意深く読みます。
  4. 「直接的な言及」と「推測」を区別する:設問の内容が、本文で直接述べられているか?それとも、本文の情報から推測できるだけか?推測だけであれば、Not Givenの可能性が高いです。
  5. 「情報がない」ことを確認する:本文をいくら探しても、設問で問われている情報が見つからない、あるいは、見つかった情報が設問と直接関係ない場合は、Not Givenと判断します。

ケーススタディ:ある学習者(Aさん、TOEFL iBT 80点レベル)は、IELTS Academic Readingの模試でTrue/False/Not Given問題の正答率が50%でした。特にNot Givenの判断に苦労していました。彼女は、本文に少しでも関連する情報があると、TrueかFalseに分類してしまう傾向がありました。そこで、私は彼女に上記のステップを徹底的に練習させました。特にステップ4と5に重点を置き、「本文に書いてあることだけを根拠にする」という原則を繰り返し伝えました。1ヶ月後、彼女の正答率は75%まで向上しました。彼女は「今まで、本文に似たようなことが書いてあれば、それが正解だと思い込んでいた。でも、設問が本当に聞いていることだけを探すようにしたら、Not Givenがはっきりわかるようになった」と語っています。

実践!True/False/Not Given問題へのアプローチ

解く順番と時間配分

IELTSのリーディングセクションは時間との戦いです。True/False/Not Given問題に時間をかけすぎると、他のセクションに影響が出てしまいます。一般的には、Passage 1の設問群に含まれている場合、比較的易しい傾向があるので、早めに解き終えたいところ。Passage 2Passage 3では、難易度が上がるため、慎重に進める必要があります。

私の経験上、1つのPassageにつき、リーディングセクション全体で20分を目安にするのが良いでしょう。True/False/Not Given問題に固執しすぎず、解けない問題は一時的に飛ばして、後で見直す勇気も必要です。

具体的な解き方:ステップ・バイ・ステップ

さあ、いよいよ実践です。以下のステップで解いてみましょう。

  1. 設問をすべて読む:まず、そのPassageのTrue/False/Not Given問題(またはそれに類する問題)をすべて読みます。本文を読む前に、どのような情報が問われているのかを把握することが目的です。
  2. キーワードをマークする:設問文の重要なキーワード(名詞、動詞、固有名詞、数字など)にアンダーラインを引くか、マークしておきましょう。
  3. 本文を「キーワード」でスキャンする:設問のキーワードを手がかりに、本文をスキャンしていきます。本文全体を精読する必要はありません。キーワードがどこにあるかを探すことに集中しましょう。
  4. キーワード周辺の文脈を精読する:キーワードが見つかったら、その周辺の数文を注意深く読みます。設問の内容と一致するか、矛盾するか、あるいは情報がないかを確認します。
  5. 判断を下す:
    • True:設問の内容が、本文の記述と意味が完全に一致する場合。単語の言い換え(パラフレーズ)に注意。
    • False:設問の内容が、本文の記述と矛盾する場合。
    • Not Given:設問の内容について、本文に直接的な情報がない場合。推測できるだけではダメ。
       
  6. 迷ったら印をつけておく:どうしても判断に迷う場合は、一旦印をつけておき、Passage全体を読み終えた後、または時間があれば見直しましょう。

よくある間違いとその回避策

学習者さんがよく犯す間違いをいくつかご紹介します。これを知っておくだけで、間違いが減るはずです。

  • 間違い1:「本文に書いてあるけど、設問と違う」→ Not Givenと判断してしまう。
    回避策:本文に情報がある場合、それが設問と一致すればTrue、矛盾すればFalseです。Not Givenは「情報がない」場合のみです。論理的な関係性をしっかり見極めましょう。
  • 間違い2:「本文に似たようなことが書いてある」→ Trueと判断してしまう。
    回避策:「似ている」と「同じ」は違います。設問で問われている「核心」が本文で直接述べられているかを確認しましょう。微妙なニュアンスの違いに注意が必要です。
  • 間違い3:キーワードだけを見て判断してしまう。
    回避策:キーワードは手がかりですが、それだけで判断するのは危険です。必ずその周辺の文脈を読み、文全体の意味を理解することが重要です。
  • 間違い4:時間配分を間違える。
    回避策:1つの問題に固執しすぎないこと。解けない問題は飛ばし、後で見直す戦略を取りましょう。

練習問題とフィードバック

実践演習:あなたの読解力を試してみよう!

では、実際に簡単な練習問題に挑戦してみましょう。以下の短い文章と設問を読んで、True,  False,  Not Givenのどれに当てはまるか考えてみてください。

Text: The Amazon rainforest is  the largest tropical rainforest in the world,  covering an area of 5.5 million square kilometers.  It is  home to an incredible diversity of plant and animal life,  with  millions of species found nowhere else on Earth.  Deforestation,  primarily driven by cattle ranching and  agriculture,  poses  a significant threat to this vital ecosystem.

Questions:

  1. The Amazon rainforest is smaller than  the Congo rainforest.
  2. Millions of species live in the Amazon rainforest.
  3. Cattle ranching is the only cause of deforestation in the Amazon.
  4. The Amazon rainforest is located in Africa.

解答と解説:

  1. False
    本文には「Amazon rainforest is  the largest tropical  rainforest in the world,  covering an area of 5.5 million square kilometers.」とあります。Amazonが世界最大であると明記されているので、Congo rainforestより小さいという設問は矛盾します。
  2. True
      本文には「It is home to an incredible diversity of plant and animal life,  with millions of species found nowhere  else on Earth.」とあります。「millions of species」という言葉が直接言及されているため、Trueです。
  3. False
      本文には「Deforestation,  primarily driven by cattle ranching and agriculture,  poses a significant threat...」とあります。「primarily driven by」は「主に~によって引き起こされている」という意味です。これは、他の要因も存在する可能性を示唆しており、「only cause」という設問は本文と矛盾します。
  4. Not Given
    本文ではAmazon rainforestの大きさや生態系、森林破壊の原因については述べられていますが、具体的な地理的位置(アフリカにあるかどうか)については一切言及されていません。したがって、この情報はNot Givenとなります。

学習を続けるためのヒント

このTrue/False/Not Given問題は、慣れるまで時間がかかるかもしれません。でも、諦めないでください!IELTS Official Cambridge Practice Testsなどの公式教材を使って、毎日少しずつでも練習を続けることが大切です。特に、間違えた問題については、なぜ間違えたのか、本文のどこをどう読めば正解できたのかを徹底的に分析しましょう。その分析こそが、あなたのリーディング力を飛躍的に向上させる鍵となります。

Remember,  practice makes perfect!  Keep pushing forward!

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